災害救助法
2021年5月10日改正分
第1条第1項
(目的)
この法律は、災害に際して、国が地方公共団体、日本赤十字社その他の団体及び国民の協力の下に、応急的に、必要な救助を行い、被災者の保護と社会の秩序の保全を図ることを目的とする。
変更後
この法律は、災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、国が地方公共団体、日本赤十字社その他の団体及び国民の協力の下に、応急的に、必要な救助を行い、災害により被害を受け又は被害を受けるおそれのある者の保護と社会の秩序の保全を図ることを目的とする。
第2条第1項
(救助の対象)
この法律による救助(以下「救助」という。)は、都道府県知事が、政令で定める程度の災害が発生した市(特別区を含む。以下同じ。)町村(以下「災害発生市町村」という。)の区域(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、当該市の区域又は当該市の区若しくは総合区の区域とする。次条第一項において同じ。)内において当該災害により被害を受け、現に救助を必要とする者に対して、これを行う。
変更後
この法律による救助(以下「救助」という。)は、この法律に別段の定めがある場合を除き、都道府県知事が、政令で定める程度の災害が発生した市(特別区を含む。以下同じ。)町村(第三項及び第十一条において「災害発生市町村」という。)の区域(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(次条第二項において「指定都市」という。)にあっては、当該市の区域又は当該市の区若しくは総合区の区域とする。以下この条並びに次条第一項及び第二項において同じ。)内において当該災害により被害を受け、現に救助を必要とする者に対して、これを行う。
第2条第2項
(救助の対象)
追加
災害が発生するおそれがある場合において、災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第二十三条の三第一項に規定する特定災害対策本部、同法第二十四条第一項に規定する非常災害対策本部又は同法第二十八条の二第一項に規定する緊急災害対策本部が設置され、同法第二十三条の三第二項(同法第二十四条第二項又は第二十八条の二第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定により当該本部の所管区域が告示されたときは、都道府県知事は、当該所管区域内の市町村(次項及び第十一条において「本部所管区域市町村」という。)の区域内において当該災害により被害を受けるおそれがあり、現に救助を必要とする者に対しても、救助を行うことができる。
ただし、前項の規定の適用がある場合又は同法第二十三条の三第二項の規定により当該本部の廃止が告示された場合は、この限りではない。
第2条第3項
(救助の対象)
追加
都道府県知事は、前二項の規定による救助を行うときは、その旨及び当該救助を行う災害発生市町村又は本部所管区域市町村の区域を公示しなければならない。
当該救助を終了するときも、同様とする。
第2条の2第1項
(救助実施市の長による救助の実施)
救助実施市(その防災体制、財政状況その他の事情を勘案し、災害に際し円滑かつ迅速に救助を行うことができるものとして内閣総理大臣が指定する市をいう。以下同じ。)の区域内において前条に規定する災害により被害を受け、現に救助を必要とする者に対する救助は、同条の規定にかかわらず、当該救助実施市の長が行う。
変更後
救助実施市(その防災体制、財政状況その他の事情を勘案し、災害に際し円滑かつ迅速に救助を行うことができるものとして内閣総理大臣が指定する市をいう。以下同じ。)の区域内において、前条第一項に規定する災害により被害を受け又は同条第二項に規定する災害により被害を受けるおそれがあり、現に救助を必要とする者に対する救助は、同条第一項及び第二項の規定にかかわらず、当該救助実施市の長が行う。
第2条の2第2項
(救助実施市の長による救助の実施)
前項の規定による指定(以下この条において「指定」という。)は、内閣府令で定めるところにより、同項の救助を行おうとする市の申請により行う。
移動
第2条の2第3項
変更後
第一項の規定による指定(以下この条において「指定」という。)は、内閣府令で定めるところにより、同項の救助を行おうとする市の申請により行う。
追加
救助実施市の長は、前項の規定による救助を行うときは、その旨(指定都市の長にあっては、その旨及び当該救助を行う区域)を公示しなければならない。
当該救助を終了するときも、同様とする。
第2条の2第3項
(救助実施市の長による救助の実施)
内閣総理大臣は、指定をしようとするときは、あらかじめ、当該指定をしようとする市を包括する都道府県の知事の意見を聴かなければならない。
移動
第2条の2第4項
第2条の2第4項
(救助実施市の長による救助の実施)
内閣総理大臣は、指定をしたときは、直ちにその旨を公示しなければならない。
移動
第2条の2第5項
第2条の2第5項
(救助実施市の長による救助の実施)
前各項に定めるもののほか、指定及びその取消しに関し必要な事項は、内閣府令で定める。
移動
第2条の2第6項
変更後
第一項及び前三項に定めるもののほか、指定及びその取消しに関し必要な事項は、内閣府令で定める。
第2条の3第1項
(都道府県知事による連絡調整)
都道府県知事は、救助実施市の区域及び当該救助実施市以外の市町村の区域にわたり発生した第二条に規定する災害に際し、当該都道府県知事及び当該救助実施市の長が行う救助において必要となる物資の供給又は役務の提供が適正かつ円滑に行われるよう、当該救助実施市の長及び物資の生産等(生産、集荷、販売、配給、保管又は輸送をいう。以下同じ。)を業とする者その他の関係者との連絡調整を行うものとする。
変更後
都道府県知事は、救助実施市の区域及び当該救助実施市以外の市町村の区域にわたり、第二条第一項に規定する災害が発生し又は同条第二項に規定する災害が発生するおそれがある場合においては、当該都道府県知事及び当該救助実施市の長が行う救助において必要となる物資の供給又は役務の提供が適正かつ円滑に行われるよう、当該救助実施市の長及び物資の生産等(生産、集荷、販売、配給、保管又は輸送をいう。以下同じ。)を業とする者その他の関係者との連絡調整を行うものとする。
第4条第1項
(救助の種類等)
救助の種類は、次のとおりとする。
変更後
第二条第一項の規定による救助の種類は、次のとおりとする。
第4条第2項
(救助の種類等)
救助は、都道府県知事等が必要があると認めた場合においては、前項の規定にかかわらず、救助を要する者(埋葬については埋葬を行う者)に対し、金銭を支給してこれを行うことができる。
移動
第4条第3項
変更後
救助は、都道府県知事等が必要があると認めた場合においては、前二項の規定にかかわらず、救助を要する者(埋葬については埋葬を行う者)に対し、金銭を支給してこれを行うことができる。
追加
第二条第二項の規定による救助の種類は、避難所の供与とする。
第4条第3項
(救助の種類等)
救助の程度、方法及び期間に関し必要な事項は、政令で定める。
移動
第4条第4項
第5条第1項
(指定行政機関の長等の収用等)
指定行政機関の長(災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第二条第三号に規定する指定行政機関の長をいい、当該指定行政機関が内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四十九条第一項若しくは第二項若しくは国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項の委員会若しくは災害対策基本法第二条第三号ロに掲げる機関又は同号ニに掲げる機関のうち合議制のものである場合にあっては、当該指定行政機関とする。次条において同じ。)及び指定地方行政機関の長(同法第二条第四号に規定する指定地方行政機関の長をいう。次条において同じ。)は、防災業務計画(同法第二条第九号に規定する防災業務計画をいう。)の定めるところにより、救助を行うため特に必要があると認めるときは、救助に必要な物資の生産等を業とする者に対して、その取り扱う物資の保管を命じ、又は救助に必要な物資を収用することができる。
変更後
指定行政機関の長(災害対策基本法第二条第三号に規定する指定行政機関の長をいい、当該指定行政機関が内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四十九条第一項若しくは第二項若しくは国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項の委員会若しくは災害対策基本法第二条第三号ロに掲げる機関又は同号ニに掲げる機関のうち合議制のものである場合にあっては、当該指定行政機関とする。次条において同じ。)及び指定地方行政機関の長(同法第二条第四号に規定する指定地方行政機関の長をいう。次条において同じ。)は、防災業務計画(同法第二条第九号に規定する防災業務計画をいう。)の定めるところにより、救助を行うため特に必要があると認めるときは、救助に必要な物資の生産等を業とする者に対して、その取り扱う物資の保管を命じ、又は救助に必要な物資を収用することができる。
第11条第1項
(通信設備の優先使用権)
内閣総理大臣、都道府県知事等、第十三条第一項の規定により救助の実施に関する都道府県知事の権限に属する事務の一部を行う災害発生市町村(救助実施市を除く。以下同じ。)の長又はこれらの者の命を受けた者は、非常災害が発生し、現に応急的な救助を行う必要がある場合には、その業務に関し緊急を要する通信のため、電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第二条第五号に規定する電気通信事業者がその事業の用に供する電気通信設備を優先的に利用し、又は有線電気通信法(昭和二十八年法律第九十六号)第三条第四項第四号に掲げる者が設置する有線電気通信設備若しくは無線設備を使用することができる。
変更後
内閣総理大臣、都道府県知事等、第十三条第一項の規定により救助の実施に関する都道府県知事の権限に属する事務の一部を行う災害発生市町村若しくは本部所管区域市町村(いずれも救助実施市を除く。以下「災害発生市町村等」という。)の長又はこれらの者の命を受けた者は、非常災害が発生し、又は発生するおそれがある場合において、現に応急的な救助を行う必要があるときは、その業務に関し緊急を要する通信のため、電気通信事業法(昭和五十九年法律第八十六号)第二条第五号に規定する電気通信事業者がその事業の用に供する電気通信設備を優先的に利用し、又は有線電気通信法(昭和二十八年法律第九十六号)第三条第四項第四号に掲げる者が設置する有線電気通信設備若しくは無線設備を使用することができる。
第13条第1項
(事務処理の特例)
都道府県知事は、救助を迅速に行うため必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、その権限に属する救助の実施に関する事務の一部を災害発生市町村の長が行うこととすることができる。
変更後
都道府県知事は、救助を迅速に行うため必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、その権限に属する救助の実施に関する事務の一部を災害発生市町村等の長が行うこととすることができる。
第13条第2項
(事務処理の特例)
前項の規定により災害発生市町村の長が行う事務を除くほか、災害発生市町村の長は、都道府県知事が行う救助を補助するものとする。
変更後
前項の規定により災害発生市町村等の長が行う事務を除くほか、災害発生市町村等の長は、都道府県知事が行う救助を補助するものとする。
第17条第1項第1号
(事務の区分)
第四条第二項、第七条第一項及び第二項、同条第四項において準用する第五条第二項、第七条第五項、第八条、第九条第一項、同条第二項において準用する第五条第二項及び第三項、第十条第一項及び第二項、同条第三項において準用する第六条第三項、第十一条、第十二条並びに第十四条の規定により都道府県又は救助実施市(以下「都道府県等」という。)が処理することとされている事務
変更後
第四条第三項、第七条第一項及び第二項、同条第四項において準用する第五条第二項、第七条第五項、第八条、第九条第一項、同条第二項において準用する第五条第二項及び第三項、第十条第一項及び第二項、同条第三項において準用する第六条第三項、第十一条、第十二条並びに第十四条の規定により都道府県又は救助実施市(以下「都道府県等」という。)が処理することとされている事務
第17条第1項第3号
(事務の区分)
第二条の二第一項の規定により救助実施市が処理することとされている事務
変更後
第二条の二第一項及び第二項の規定により救助実施市が処理することとされている事務
第17条第1項第4号
(事務の区分)
第十三条第二項の規定により災害発生市町村が処理することとされている事務
変更後
第十三条第二項の規定により災害発生市町村等が処理することとされている事務
第30条第1項
(繰替支弁)
都道府県知事は、第十三条第一項の規定により救助の実施に関するその権限に属する事務の一部を災害発生市町村の長が行うこととした場合又は都道府県が救助に要する費用を支弁するいとまがない場合においては、当該救助に係る災害発生市町村に、救助の実施に要する費用を一時繰替支弁させることができる。
変更後
都道府県知事は、第十三条第一項の規定により救助の実施に関するその権限に属する事務の一部を災害発生市町村等の長が行うこととした場合又は都道府県が救助に要する費用を支弁するいとまがない場合においては、当該救助に係る災害発生市町村等に、救助の実施に要する費用を一時繰替支弁させることができる。
附則第1条第1項
(施行期日)
追加
この法律は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則第1条第1項第1号
(施行期日)
附則第3条第1項
(政令への委任)
追加
この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則第4条第1項
(検討)
追加
政府は、この法律の施行後適当な時期において、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定について、その施行の状況等を勘案して検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。