がん対策基本法
2017年1月1日更新分
第1条第1項
(目的)
この法律は、我が国のがん対策がこれまでの取組により進展し、成果を収めてきたものの、なお、がんが国民の疾病による死亡の最大の原因となっている等がんが国民の生命及び健康にとって重大な問題となっている現状にかんがみ、がん対策の一層の充実を図るため、がん対策に関し、基本理念を定め、国、地方公共団体、医療保険者、国民及び医師等の責務を明らかにし、並びにがん対策の推進に関する計画の策定について定めるとともに、がん対策の基本となる事項を定めることにより、がん対策を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。
変更後
この法律は、我が国のがん対策がこれまでの取組により進展し、成果を収めてきたものの、なお、がんが国民の疾病による死亡の最大の原因となっている等がんが国民の生命及び健康にとって重大な問題となっている現状並びにがん対策においてがん患者(がん患者であった者を含む。以下同じ。)がその状況に応じて必要な支援を総合的に受けられるようにすることが課題となっていることに鑑み、がん対策の一層の充実を図るため、がん対策に関し、基本理念を定め、国、地方公共団体、医療保険者、国民、医師等及び事業主の責務を明らかにし、並びにがん対策の推進に関する計画の策定について定めるとともに、がん対策の基本となる事項を定めることにより、がん対策を総合的かつ計画的に推進することを目的とする。
第2条第1項第4号
(基本理念)
追加
がん患者が尊厳を保持しつつ安心して暮らすことのできる社会の構築を目指し、がん患者が、その置かれている状況に応じ、適切ながん医療のみならず、福祉的支援、教育的支援その他の必要な支援を受けることができるようにするとともに、がん患者に関する国民の理解が深められ、がん患者が円滑な社会生活を営むことができる社会環境の整備が図られること。
第2条第1項第5号
(基本理念)
追加
それぞれのがんの特性に配慮したものとなるようにすること。
第2条第1項第6号
(基本理念)
追加
保健、福祉、雇用、教育その他の関連施策との有機的な連携に配慮しつつ、総合的に実施されること。
第2条第1項第7号
(基本理念)
追加
国、地方公共団体、第五条に規定する医療保険者、医師、事業主、学校、がん対策に係る活動を行う民間の団体その他の関係者の相互の密接な連携の下に実施されること。
第2条第1項第8号
(基本理念)
追加
がん患者の個人情報(個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。)の保護について適正な配慮がなされるようにすること。
第5条第1項
(医療保険者の責務)
医療保険者(介護保険法 (平成九年法律第百二十三号)第七条第七項 に規定する医療保険者をいう。)は、国及び地方公共団体が講ずるがんの予防に関する啓発及び知識の普及、がん検診に関する普及啓発等の施策に協力するよう努めなければならない。
変更後
医療保険者(高齢者の医療の確保に関する法律 (昭和五十七年法律第八十号)第七条第二項 に規定する保険者及び同法第四十八条 に規定する後期高齢者医療広域連合をいう。)は、国及び地方公共団体が講ずるがんの予防に関する啓発及び知識の普及、がん検診(その結果に基づく必要な対応を含む。)に関する普及啓発等の施策に協力するよう努めなければならない。
第6条第1項
(国民の責務)
国民は、喫煙、食生活、運動その他の生活習慣が健康に及ぼす影響等がんに関する正しい知識を持ち、がんの予防に必要な注意を払うよう努めるとともに、必要に応じ、がん検診を受けるよう努めなければならない。
変更後
国民は、喫煙、食生活、運動その他の生活習慣が健康に及ぼす影響、がんの原因となるおそれのある感染症等がんに関する正しい知識を持ち、がんの予防に必要な注意を払い、必要に応じ、がん検診を受けるよう努めるほか、がん患者に関する理解を深めるよう努めなければならない。
第8条第1項
(事業主の責務)
追加
事業主は、がん患者の雇用の継続等に配慮するよう努めるとともに、国及び地方公共団体が講ずるがん対策に協力するよう努めるものとする。
第9条第7項
(がん対策推進基本計画)
政府は、がん医療に関する状況の変化を勘案し、及びがん対策の効果に関する評価を踏まえ、少なくとも五年ごとに、がん対策推進基本計画に検討を加え、必要があると認めるときには、これを変更しなければならない。
移動
第10条第7項
変更後
政府は、がん医療に関する状況の変化を勘案し、及びがん対策の効果に関する評価を踏まえ、少なくとも六年ごとに、がん対策推進基本計画に検討を加え、必要があると認めるときには、これを変更しなければならない。
第11条第2項
(都道府県がん対策推進計画)
都道府県がん対策推進計画は、医療法 (昭和二十三年法律第二百五号)第三十条の四第一項 に規定する医療計画、健康増進法 (平成十四年法律第百三号)第八条第一項 に規定する都道府県健康増進計画、介護保険法第百十八条第一項 に規定する都道府県介護保険事業支援計画その他の法令の規定による計画であって保健、医療又は福祉に関する事項を定めるものと調和が保たれたものでなければならない。
移動
第12条第2項
変更後
都道府県がん対策推進計画は、医療法 (昭和二十三年法律第二百五号)第三十条の四第一項 に規定する医療計画、健康増進法 (平成十四年法律第百三号)第八条第一項 に規定する都道府県健康増進計画、介護保険法 (平成九年法律第百二十三号)第百十八条第一項 に規定する都道府県介護保険事業支援計画その他の法令の規定による計画であってがん対策に関連する事項を定めるものと調和が保たれたものでなければならない。
第11条第3項
(都道府県がん対策推進計画)
都道府県は、当該都道府県におけるがん医療に関する状況の変化を勘案し、及び当該都道府県におけるがん対策の効果に関する評価を踏まえ、少なくとも五年ごとに、都道府県がん対策推進計画に検討を加え、必要があると認めるときには、これを変更するよう努めなければならない。
移動
第12条第3項
変更後
都道府県は、当該都道府県におけるがん医療に関する状況の変化を勘案し、及び当該都道府県におけるがん対策の効果に関する評価を踏まえ、少なくとも六年ごとに、都道府県がん対策推進計画に検討を加え、必要があると認めるときには、これを変更するよう努めなければならない。
第12条第1項
(がんの予防の推進)
国及び地方公共団体は、喫煙、食生活、運動その他の生活習慣及び生活環境が健康に及ぼす影響に関する啓発及び知識の普及その他のがんの予防の推進のために必要な施策を講ずるものとする。
移動
第13条第1項
変更後
国及び地方公共団体は、喫煙、食生活、運動その他の生活習慣及び生活環境が健康に及ぼす影響、がんの原因となるおそれのある感染症並びに性別、年齢等に係る特定のがん及びその予防等に関する啓発及び知識の普及その他のがんの予防の推進のために必要な施策を講ずるものとする。
第14条第1項
(専門的な知識及び技能を有する医師その他の医療従事者の育成)
国及び地方公共団体は、手術、放射線療法、化学療法その他のがん医療に携わる専門的な知識及び技能を有する医師その他の医療従事者の育成を図るために必要な施策を講ずるものとする。
移動
第15条第1項
変更後
国及び地方公共団体は、手術、放射線療法、化学療法、緩和ケア(がんその他の特定の疾病に罹患した者に係る身体的若しくは精神的な苦痛又は社会生活上の不安を緩和することによりその療養生活の質の維持向上を図ることを主たる目的とする治療、看護その他の行為をいう。第十七条において同じ。)のうち医療として提供されるものその他のがん医療に携わる専門的な知識及び技能を有する医師その他の医療従事者の育成を図るために必要な施策を講ずるものとする。
第14条第2項
(がん検診の質の向上等)
追加
国及び地方公共団体は、がん検診によってがんに罹患している疑いがあり、又は罹患していると判定された者が必要かつ適切な診療を受けることを促進するため、必要な環境の整備その他の必要な施策を講ずるものとする。
第14条第3項
(がん検診の質の向上等)
追加
国及び地方公共団体は、前二項に規定する施策を効果的に実施するため、がん検診の実態の把握のために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
第16条第1項
(がん患者の療養生活の質の維持向上)
国及び地方公共団体は、がん患者の状況に応じて疼痛等の緩和を目的とする医療が早期から適切に行われるようにすること、居宅においてがん患者に対しがん医療を提供するための連携協力体制を確保すること、医療従事者に対するがん患者の療養生活の質の維持向上に関する研修の機会を確保することその他のがん患者の療養生活の質の維持向上のために必要な施策を講ずるものとする。
移動
第17条第1項
変更後
国及び地方公共団体は、がん患者の状況に応じて緩和ケアが診断の時から適切に提供されるようにすること、がん患者の状況に応じた良質なリハビリテーションの提供が確保されるようにすること、居宅においてがん患者に対しがん医療を提供するための連携協力体制を確保すること、医療従事者に対するがん患者の療養生活(これに係るその家族の生活を含む。以下この条において同じ。)の質の維持向上に関する研修の機会を確保することその他のがん患者の療養生活の質の維持向上のために必要な施策を講ずるものとする。
第17条第1項
(がん医療に関する情報の収集提供体制の整備等)
国及び地方公共団体は、がん医療に関する情報の収集及び提供を行う体制を整備するために必要な施策を講ずるとともに、がん患者及びその家族に対する相談支援等を推進するために必要な施策を講ずるものとする。
移動
第18条第1項
変更後
国及び地方公共団体は、がん医療に関する情報の収集及び提供を行う体制を整備するために必要な施策を講ずるとともに、がん患者(その家族を含む。第二十条及び第二十二条において同じ。)に対する相談支援等を推進するために必要な施策を講ずるものとする。
第17条第2項
(民間団体の活動に対する支援)
国及び地方公共団体は、がん患者のがんの罹患、転帰その他の状況を把握し、分析するための取組を支援するために必要な施策を講ずるものとする。
移動
第22条第1項
変更後
国及び地方公共団体は、民間の団体が行うがん患者の支援に関する活動、がん患者の団体が行う情報交換等の活動等を支援するため、情報提供その他の必要な施策を講ずるものとする。
第18条第1項
(がん医療に関する情報の収集提供体制の整備等)
国及び地方公共団体は、がんの本態解明、革新的ながんの予防、診断及び治療に関する方法の開発その他のがんの罹患率及びがんによる死亡率の低下に資する事項についての研究が促進され、並びにその成果が活用されるよう必要な施策を講ずるものとする。
移動
第19条第1項
変更後
国及び地方公共団体は、がんの本態解明、革新的ながんの予防、診断及び治療に関する方法の開発その他のがんの罹患率及びがんによる死亡率の低下に資する事項並びにがんの治療に伴う副作用、合併症及び後遺症の予防及び軽減に関する方法の開発その他のがん患者の療養生活の質の維持向上に資する事項についての研究が促進され、並びにその成果が活用されるよう必要な施策を講ずるものとする。
第18条第2項
(がん医療に関する情報の収集提供体制の整備等)
国及び地方公共団体は、がん医療を行う上で特に必要性が高い医薬品、医療機器及び再生医療等製品の早期の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 (昭和三十五年法律第百四十五号)の規定による製造販売の承認に資するようその治験が迅速かつ確実に行われ、並びにがん医療に係る標準的な治療方法の開発に係る臨床研究が円滑に行われる環境の整備のために必要な施策を講ずるものとする。
移動
第19条第3項
変更後
国及び地方公共団体は、がん医療を行う上で特に必要性が高い医薬品、医療機器及び再生医療等製品の早期の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 (昭和三十五年法律第百四十五号)の規定による製造販売の承認に資するようその治験が迅速かつ確実に行われ、並びにがん医療に係る有効な治療方法の開発に係る臨床研究等が円滑に行われる環境の整備のために必要な施策を講ずるものとする。
追加
国及び地方公共団体は、がんに係る調査研究の促進のため、がん登録等の推進に関する法律 (平成二十五年法律第百十一号)第二条第二項 に規定するがん登録(その他のがんの罹患、診療、転帰等の状況の把握、分析等のための取組を含む。以下この項において同じ。)、当該がん登録により得られた情報の活用等を推進するものとする。
第19条第1項
(民間団体の活動に対する支援)
厚生労働省に、がん対策推進基本計画に関し、第九条第四項(同条第八項において準用する場合を含む。)に規定する事項を処理するため、がん対策推進協議会(以下「協議会」という。)を置く。
移動
第24条第1項
変更後
厚生労働省に、がん対策推進基本計画に関し、第十条第四項(同条第八項において準用する場合を含む。)に規定する事項を処理するため、がん対策推進協議会(以下「協議会」という。)を置く。
第19条第2項
(がん医療に関する情報の収集提供体制の整備等)
追加
前項の施策を講ずるに当たっては、罹患している者の少ないがん及び治癒が特に困難であるがんに係る研究の促進について必要な配慮がなされるものとする。
第20条第1項
(がん患者の雇用の継続等)
追加
国及び地方公共団体は、がん患者の雇用の継続又は円滑な就職に資するよう、事業主に対するがん患者の就労に関する啓発及び知識の普及その他の必要な施策を講ずるものとする。
第20条第4項
(民間団体の活動に対する支援)
前三項に定めるもののほか、協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。
移動
第25条第4項
変更後
前三項に定めるもののほか、協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。
第21条第1項
(がん患者における学習と治療との両立)
追加
国及び地方公共団体は、小児がんの患者その他のがん患者が必要な教育と適切な治療とのいずれをも継続的かつ円滑に受けることができるよう、必要な環境の整備その他の必要な施策を講ずるものとする。
第23条第1項
(民間団体の活動に対する支援)
追加
国及び地方公共団体は、国民が、がんに関する知識及びがん患者に関する理解を深めることができるよう、学校教育及び社会教育におけるがんに関する教育の推進のために必要な施策を講ずるものとする。
附則平成20年12月19日法律第93号第1条第1項
抄
この法律は、平成二十二年四月一日から施行する。
変更後
抄
この法律は、平成二十二年四月一日から施行する。
附則第1条第1項
附 則 抄
この法律は、平成十九年四月一日から施行する。
変更後
附 則 抄
この法律は、平成十九年四月一日から施行する。
附則平成25年12月13日法律第103号第1条第1項
抄
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
変更後
抄
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附則平成25年11月27日法律第84号第1条第1項
抄
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第六十四条、第六十六条及び第百二条の規定は、公布の日から施行する。
変更後
抄
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第六十四条、第六十六条及び第百二条の規定は、公布の日から施行する。
附則平成23年8月30日法律第105号第1条第1項
抄
この法律は、公布の日から施行する。
移動
附則平成28年12月16日法律第107号第1条第1項
変更後
抄
この法律は、公布の日から施行する。
抄
この法律は、公布の日から施行する。
変更後
抄
この法律は、公布の日から施行する。
附則平成26年6月13日法律第67号第1条第1項
抄
この法律は、独立行政法人通則法の一部を改正する法律(平成二十六年法律第六十六号。以下「通則法改正法」という。)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
この法律は、独立行政法人通則法の一部を改正する法律(平成二十六年法律第六十六号。以下「通則法改正法」という。)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
変更後
抄
この法律は、独立行政法人通則法の一部を改正する法律(平成二十六年法律第六十六号。以下「通則法改正法」という。)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
この法律は、独立行政法人通則法の一部を改正する法律(平成二十六年法律第六十六号。以下「通則法改正法」という。)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
附則平成20年12月19日法律第93号第24条第1項
(検討)
政府は、この法律の施行後三年以内に、その業務として研究及び開発を行う他の独立行政法人の見直しその他の独立行政法人に関する制度の見直しの状況を踏まえ、国立高度専門医療研究センターの業務についての社会的な評価を含む業務の実施状況その他この法律の施行の状況を勘案し、国立高度専門医療研究センターの組織及び業務について、独立行政法人として存続させることの適否を含めた検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
変更後
政府は、この法律の施行後三年以内に、その業務として研究及び開発を行う他の独立行政法人の見直しその他の独立行政法人に関する制度の見直しの状況を踏まえ、国立高度専門医療研究センターの業務についての社会的な評価を含む業務の実施状況その他この法律の施行の状況を勘案し、国立高度専門医療研究センターの組織及び業務について、独立行政法人として存続させることの適否を含めた検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
附則平成26年6月13日法律第67号第30条第1項
(その他の経過措置の政令等への委任)
附則第三条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令(人事院の所掌する事項については、人事院規則)で定める。
変更後
附則第三条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令(人事院の所掌する事項については、人事院規則)で定める。
附則平成23年8月30日法律第105号第82条第1項
(政令への委任)
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
変更後
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附則平成25年11月27日法律第84号第102条第1項
(政令への委任)
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
変更後
この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。