平成25年の東京高等裁判所における判例

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  •  東京高判平成25年12月20日
    裁判所名:
    事件番号:平成25(行ケ)70
    平成25年7月21日施行の参議院(選挙区選出)議員通常選挙(以下「本件選挙」という。)について,東京都選挙区等の選挙人において,公職選挙法14条1項,別表第3による選挙区及び議員数の規定が,憲法の保障する人口比例選挙に反し,投票価値の平等に反して無効であるから,これに基づき施行された本件選挙も無効であるとしてした選挙無効請求につき,本件選挙は,最高裁平成24年10月17日大法廷判決(以下「平成24年判決」という。)が違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態に至っていたと判示した平成22年7月施行の参議院議員通常選挙時の最大較差1対5.00から,単に4増4減の改正が行われて最大較差1対4.77とされたのみで,平成24年判決とほとんど変わらない状況の下で実施されたのであるから,本件選挙においても,投票価値の不均衡が投票価値の平等の重要性に照らして看過し得ない程度に達していることが明らかであり,これを正当化すべき合理的理由も認められないから,違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったというべきであるが,選挙制度の枠組みの見直しに関しては,国民の間にも様々な利害や意見があり,参議院ひいては二院制の在り方をも踏まえた高度に政治的判断が求められるなど課題が多く,その検討には相応の時間を要することに加え,平成21年9月30日最高裁大法廷判決は最大較差1対4.86であった平成19年施行の参議院議員通常選挙を合憲とし違憲状態との説示もしていないこと,平成8年9月11日最高裁大法廷判決以降最高裁が参議院議員選挙に関して違憲状態を指摘し,参議院議員の選挙であること自体から直ちに投票価値の平等の要請が後退してよいと解すべき理由は見いだし難いとした上,都道府県を選挙区の単位とする仕組みの見直しの必要性を具体的に指摘したのは平成24年判決が初めてであり,同判決から本件選挙までは約9か月しかなかったこと,平成20年以降,参議院改革協議会や選挙制度改革検討会等を通じて選挙制度の仕組み自体の見直しも含めた検討が継続的に進められ,平成24年8月に国会に提出された参議院議員定数配分規定の改正案では,平成28年の参議院議員通常選挙に向けて選挙制度の抜本的見直しを検討し,結論を得ることが附則として明記され,その改正案が平成24年11月に可決されたこと,平成24年判決は当該附則の規定をも考慮して前回参議院議員選挙を違憲としなかったこと等を総合考慮すると,本件選挙の時点において,都道府県を単位とする選挙区の点も含めた選挙制度の枠組み自体を見直すのに必要な合理的期間は未だ経過していないというべきであり,本件選挙までの間に選挙区及び議員数の規定を改正しなかったことが,国会の裁量の限界を超えるものとはいえず,同規定が憲法に違反するに至っていたとはいえないとして,前記請求を棄却した事例
  •  東京高判平成25年12月18日
    裁判所名:
    事件番号:平成25(う)578
    「(海賊船舶等の)拿捕を行った国の裁判所は,科すべき刑罰を決定することができる。」と定める海洋法に関する国際連合条約105条は,海賊行為については,国際法上,いずれの国も管轄権を有することを前提とした上で,拿捕国が利害関係国その他第三国に対して優先的に管轄権を行使することができることを規定したものである。
  •  法人税法違反,関税法違反被告事件(東京高判平成25年11月27日)
    裁判所名:
    事件番号:平成25(う)857
    「世界貿易機関を設立するマラケシュ協定」(平成6年条約第15号)の「農業に関する協定」4条2項は,国内の裁判規範として直接適用されるものではなく,我が国の豚肉の差額関税制度を直ちに無効ならしめるものではない。
  •  東京高判平成25年11月21日
    裁判所名:
    事件番号:平成25(行コ)268
    相続により取得された不動産に係る譲渡所得のうち被相続人の保有期間中の増加益に相当する部分は,所得税法(平成22年法律第6号による改正前)9条1項15号所定の非課税所得に当たらない。
  •  審決取消等請求事件(東京高判平成25年11月01日)
    裁判所名:
    事件番号:平成24(行ケ)8
  •  過料処分取消請求控訴事件(東京高判平成25年10月31日)
    裁判所名:
    事件番号:平成25(行コ)20
    1 反社会的団体(無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律5条1項に規定する観察処分を受けた団体のこと)に対して所定事項につき報告する義務を課し,その義務を懈怠した場合につき過料に処することなどを定める足立区反社会的団体の規制に関する条例(平成22年足立区条例第44号)の規定は, [1]同条例の目的は正当であり,反社会的団体の活動に対する規制の必要性は高く,[2]報告を求められる事項は,いずれも個人の信仰など内心の自由に関するものは含まれておらず,当該団体が宗教団体である場合であっても,専ら世俗的側面における活動状況・実態を把握するためのものであり,当該団体又はその構成員の宗教的活動の中核的部分に関する事項を規制したり,構成員の精神的・宗教的な側面に容かいするような性質のものではなく,[3]同条例5条2項に定める報告義務に関する規定は不明確とはいえず,同条例の規制により当該団体の施設の所在地が町名まで明らかにされても,規制の目的に照らして相当を欠くとまではいえず,また,手続保障も十分に図られているということができるから,同条例による規制手段と規制目的との間には合理的関連性があり,かつ,規制によって得られる利益と失われる利益とを衡量しても相当であるから,憲法20条1項に違反しない。2 足立区反社会的団体の規制に関する条例(平成22年足立区条例第44号)5条2項が定める報告を正当な理由がないのに拒んだとして,同条例10条に基づき過料に処する旨の処分を受けた宗教団体がした前記処分の取消請求につき,前記宗教団体において,前記報告をすることにより,前記条例及び足立区反社会的団体の規制に関する条例施行規則(平成22年足立区規則第72号)の規定に基づき,その報告内容が区ホームページ上で公表される結果,前記宗教団体の施設の所在地を不特定多数の者が容易に知ることが可能となり,前記宗教団体及びその構成員等の生命,身体,財産をはじめとする基本的人権を含む諸権利が重大に損なわれる恐れが払拭できないとの懸念を抱いたというのも無理からぬことであったと認められるから,前記宗教団体が前記報告を拒んだことについては,正当な理由なく報告を拒んだときに該当せず,前記処分はその処分要件を欠く違法なものであるとして,前記請求を認容した事例
  •  法人税更正処分取消等請求控訴事件(東京高判平成25年10月24日)
    裁判所名:
    事件番号:平成25(行コ)29
    控訴審において新たにされた,外貨建社債に係る外国為替の変動に伴って生ずるおそれのある損失の額を減少させるために行った通貨オプション取引のうち売建オプション取引の決済損益額が法人税法61条の5第1項により益金の額に算入されるべきであるとの控訴人(国)の主張は,外国為替換算差損の額が損金の額に算入されるか否かという原審の争点との関係で予備的主張という位置付けになることに加え,当該争点に関する主張が事実上又は法律上の根拠を欠くものであるとか,原審裁判所から促されたといった特段の事情もうかがえないことからすると,時機に後れた攻撃防御方法として却下されるものではないとした事例
  •  源泉所得納税告知処分取消等請求控訴事件(東京高判平成25年10月23日)
    裁判所名:
    事件番号:平成25(行コ)224
    教育機関等から講師による講義等の業務を,一般家庭から家庭教師による個人指導の業務をそれぞれ受託した株式会社が,講師又は家庭教師として前記株式会社と契約を締結して,前記各業務を行った者に対して支払った当該契約所定の各金員について,税務署長が前記各金員は所得税法28条1項に規定する給与等に該当し,前記各金員を対価とする役務の提供を受けたことは課税仕入れに該当しないとしてした,源泉徴収に係る所得税の納税告知処分等及び消費税の更正処分等につき,前記各金員は,前記講師等が前記株式会社のために労務の提供等をしたことの対価としての性質を有するものであること,前記講師等による労務の提供等は,自己の計算と危険によるものとはいい難いものであって,非独立的なものと評価するのが相当であること,前記講師等は,直接的又は少なくとも間接的に前記株式会社の監督下に置かれているものというべきであること,前記講師等は,前記株式会社から空間的,時間的な拘束を受けているものということができることといった事情を総合すれば,前記各金員は,雇用契約に類する原因に基づき提供された非独立的な労務の対価として給付されたものとして,それに係る所得は,所得税法28条1項所定の給与所得に当たるものというべきであるとして,前記各処分を適法とした事例
  •  東京高判平成25年10月08日
    裁判所名:
    事件番号:平成23(う)1947
    被告人は,強盗殺人等の事件のほか強盗致傷や強盗強姦等を犯したものであるが,量刑判断の中心となる強盗殺人等の事件について,殺害態様が執拗で冷酷非情であり放火も危険性の高い悪質な犯行であること,結果も重大であることを十分に考慮しても,殺害された被害者が1名であり殺害行為に計画性を認めることができないことを踏まえると,死刑を選択することが真にやむを得ないとはいえず,被告人が短期間に強盗致傷や強盗強姦という重大事件を複数回犯したことや粗暴な性格傾向が著しいことなどの原判決が指摘する特有の事情に関しても,本件強盗殺人等の事件以外には前科も含めて殺意を伴う犯行はなく,法定刑に死刑が含まれる多くの犯罪にみられるような人の生命を奪って自己の利欲等の目的を達成しようとした犯行ではないことなどを考慮すると,上記特有の事情があることを理由として死刑を選択し得るとした原判決の判断は合理性のある評価とはいえず,無期懲役刑と死刑という質的に異なる刑の選択に誤りがある。
  •  設立認可処分取消請求控訴事件(東京高判平成25年09月25日)
    裁判所名:
    事件番号:平成24(行コ)306
    1 都市再開発法11条1項に基づく市街地再開発組合の設立認可について,当該市街地再開発組合の事業の施行に起因する大気汚染による健康被害等の権利侵害を受けると主張する施行区域の周辺住民らが,同設立認可の取消しを求める訴えについて,市街地再開発組合の事業の施行区域の周辺に居住する住民のうち,当該組合の事業の施行に起因して相当範囲にわたる大気の汚染,水質の汚濁,土壌の汚染,騒音,振動,地盤の沈下及び悪臭並びに日照阻害,風害等の公害に準ずる環境破壊による健康又は生活環境に係る著しい被害を直接に受けるおそれのある者は,当該市街地再開発組合の設立認可の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者として,その取消訴訟における原告適格を有するものといえるが,前記市街地再開発事業に関する都市計画の内容及び地区組合の事業計画の内容に照らして,前記住民らがこのような健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれがある事実は認められないとして,前記住民らの原告適格を否定した事例2 都市再開発法11条1項に基づく市街地再開発組合の設立認可について,当該市街地再開発組合の事業の施行により景観利益を侵害されると主張する施行区域の周辺住民らが,同設立認可の取消しを求める訴えについて,市街地再開発組合の設立認可の根拠法令である都市再開発法及び都市計画法の規定は,第一種市街地再開発事業の施行区域に近接する地域内に居住しその良好な景観の恵沢を日常的に享受している不特定多数の者が有する景観利益についても環境影響評価等の手続を通じて適正な配慮がされるようにすることも,その趣旨及び目的とするものであるとした上,両法の関係法令である景観法の規定に基づいて景観行政団体が策定した景観計画において,良好な景観の形成に関する方針及び良好な景観の形成のための行為の制限に関する事項のうちの規制又は措置の基準が詳細かつ具体的に定められているのであれば,その定めから,第一種市街地再開発事業に関する都市計画の決定をするに当たって保護すべき景観の内容,場所的又は空間的な範囲,保護の方法態様等が具体的にうかがわれ,都市再開発法及び都市計画法並びにその関係法令の規定が,不特定多数の者の景観利益を専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず,それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解することができることとなるが,都の特別区が策定した景観計画には,前記市街地再開発事業の施行区域を含む区域に適用される良好な景観の形成のための行為の制限に関する事項のうちの規制又は措置の基準が定められているものの,これらは,いずれも第一種市街地再開発事業に関する都市計画の決定をするに当たって保護すべき景観の内容,場所的又は空間的な範囲,保護の方法態様等が具体的にうかがわれるほどには詳細かつ具体的なものではないとし,そのほかの規定に照らしても,違法な市街地再開発組合の事業の施行に起因する景観の破壊による被害を受けないという利益については,都市再開発法及び都市計画法の規定が,施行区域の周辺に居住する個々の住民に対して,それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解することはできないとして,前記住民らの原告適格を否定した事例

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