東京高等裁判所における判例

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  •  源泉所得納税告知処分取消等請求控訴事件(東京高判平成25年10月23日)
    裁判所名:
    事件番号:平成25(行コ)224
    教育機関等から講師による講義等の業務を,一般家庭から家庭教師による個人指導の業務をそれぞれ受託した株式会社が,講師又は家庭教師として前記株式会社と契約を締結して,前記各業務を行った者に対して支払った当該契約所定の各金員について,税務署長が前記各金員は所得税法28条1項に規定する給与等に該当し,前記各金員を対価とする役務の提供を受けたことは課税仕入れに該当しないとしてした,源泉徴収に係る所得税の納税告知処分等及び消費税の更正処分等につき,前記各金員は,前記講師等が前記株式会社のために労務の提供等をしたことの対価としての性質を有するものであること,前記講師等による労務の提供等は,自己の計算と危険によるものとはいい難いものであって,非独立的なものと評価するのが相当であること,前記講師等は,直接的又は少なくとも間接的に前記株式会社の監督下に置かれているものというべきであること,前記講師等は,前記株式会社から空間的,時間的な拘束を受けているものということができることといった事情を総合すれば,前記各金員は,雇用契約に類する原因に基づき提供された非独立的な労務の対価として給付されたものとして,それに係る所得は,所得税法28条1項所定の給与所得に当たるものというべきであるとして,前記各処分を適法とした事例
  •  東京高判平成25年10月08日
    裁判所名:
    事件番号:平成23(う)1947
    被告人は,強盗殺人等の事件のほか強盗致傷や強盗強姦等を犯したものであるが,量刑判断の中心となる強盗殺人等の事件について,殺害態様が執拗で冷酷非情であり放火も危険性の高い悪質な犯行であること,結果も重大であることを十分に考慮しても,殺害された被害者が1名であり殺害行為に計画性を認めることができないことを踏まえると,死刑を選択することが真にやむを得ないとはいえず,被告人が短期間に強盗致傷や強盗強姦という重大事件を複数回犯したことや粗暴な性格傾向が著しいことなどの原判決が指摘する特有の事情に関しても,本件強盗殺人等の事件以外には前科も含めて殺意を伴う犯行はなく,法定刑に死刑が含まれる多くの犯罪にみられるような人の生命を奪って自己の利欲等の目的を達成しようとした犯行ではないことなどを考慮すると,上記特有の事情があることを理由として死刑を選択し得るとした原判決の判断は合理性のある評価とはいえず,無期懲役刑と死刑という質的に異なる刑の選択に誤りがある。
  •  設立認可処分取消請求控訴事件(東京高判平成25年09月25日)
    裁判所名:
    事件番号:平成24(行コ)306
    1 都市再開発法11条1項に基づく市街地再開発組合の設立認可について,当該市街地再開発組合の事業の施行に起因する大気汚染による健康被害等の権利侵害を受けると主張する施行区域の周辺住民らが,同設立認可の取消しを求める訴えについて,市街地再開発組合の事業の施行区域の周辺に居住する住民のうち,当該組合の事業の施行に起因して相当範囲にわたる大気の汚染,水質の汚濁,土壌の汚染,騒音,振動,地盤の沈下及び悪臭並びに日照阻害,風害等の公害に準ずる環境破壊による健康又は生活環境に係る著しい被害を直接に受けるおそれのある者は,当該市街地再開発組合の設立認可の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者として,その取消訴訟における原告適格を有するものといえるが,前記市街地再開発事業に関する都市計画の内容及び地区組合の事業計画の内容に照らして,前記住民らがこのような健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれがある事実は認められないとして,前記住民らの原告適格を否定した事例2 都市再開発法11条1項に基づく市街地再開発組合の設立認可について,当該市街地再開発組合の事業の施行により景観利益を侵害されると主張する施行区域の周辺住民らが,同設立認可の取消しを求める訴えについて,市街地再開発組合の設立認可の根拠法令である都市再開発法及び都市計画法の規定は,第一種市街地再開発事業の施行区域に近接する地域内に居住しその良好な景観の恵沢を日常的に享受している不特定多数の者が有する景観利益についても環境影響評価等の手続を通じて適正な配慮がされるようにすることも,その趣旨及び目的とするものであるとした上,両法の関係法令である景観法の規定に基づいて景観行政団体が策定した景観計画において,良好な景観の形成に関する方針及び良好な景観の形成のための行為の制限に関する事項のうちの規制又は措置の基準が詳細かつ具体的に定められているのであれば,その定めから,第一種市街地再開発事業に関する都市計画の決定をするに当たって保護すべき景観の内容,場所的又は空間的な範囲,保護の方法態様等が具体的にうかがわれ,都市再開発法及び都市計画法並びにその関係法令の規定が,不特定多数の者の景観利益を専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず,それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解することができることとなるが,都の特別区が策定した景観計画には,前記市街地再開発事業の施行区域を含む区域に適用される良好な景観の形成のための行為の制限に関する事項のうちの規制又は措置の基準が定められているものの,これらは,いずれも第一種市街地再開発事業に関する都市計画の決定をするに当たって保護すべき景観の内容,場所的又は空間的な範囲,保護の方法態様等が具体的にうかがわれるほどには詳細かつ具体的なものではないとし,そのほかの規定に照らしても,違法な市街地再開発組合の事業の施行に起因する景観の破壊による被害を受けないという利益については,都市再開発法及び都市計画法の規定が,施行区域の周辺に居住する個々の住民に対して,それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解することはできないとして,前記住民らの原告適格を否定した事例
  •  各外務員登録取消処分取消等請求,各追加的併合控訴事件(東京高判平成25年09月12日)
    裁判所名:
    事件番号:平成25(行コ)128
    金融商品取引法64条の5第1項の規定に基づく各外務員登録取消処分の取消しを求める訴えにつき,同処分の名あて人は,登録の取消しの対象となる外務員らではなく,当該外務員らが所属していた金融商品取引業者であるとした上で,同法においては,同項の規定により外務員登録を取り消された者は,取消しの日から5年間にわたって外務員の登録を受けることができず,その結果,5年間にわたって金融商品取引業者に雇用されるなどして金融商品取引業に一切従事することができないという不利益を受けることになることが予定されているものということができ,外務員登録取消処分が違法にされた場合には,当該外務員は,5年もの長期間にわたって金融商品取引業に一切従事することができず,収入源が絶たれるなどして生活全般にわたる重大な不利益を受けるおそれがあり,このような外務員登録取消処分によって生じる不利益の性質及び内容並びにその態様に照らせば,同項が,外務員登録取消処分によって外務員に生ずる不利益について,当該処分により一般的あるいは反射的に生じる事実上の不利益にすぎないものと扱っていると解するのは相当ではなく,当該処分を行うに当たっては外務員個人の不利益についても考慮すべきものとしていると解するべきであり,したがって,同法は,外務員が違法に外務員登録を取り消されないという利益についても法律上保護しているものと解するのが相当であるから,外務員登録取消処分の対象となる外務員は,当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され,又は必然的に侵害されるおそれのある者に該当するということができ,当該外務員らは,当該処分の取消しを求めるにつき法律上の利益を有するとして,当該外務員らの原告適格を肯定した事例
  •  事件(東京高判平成25年09月12日)
    裁判所名:
    事件番号:平成25(行コ)80
    私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律70条の15第1項に基づいて利害関係人がした事件記録の謄写申請に対し,公正取引委員会がした事件記録の謄写に応ずる旨の決定の一部の取消しを求める請求につき,同項に基づく事件記録の閲覧又は謄写を拒むことについて「第三者の利益を害するおそれがあると認めるときその他正当な理由」があるか否かの判断は,公正取引委員会の合理的な裁量に委ねられていると解するのが相当であり,公正取引委員会がその裁量権の行使としてした,当該事件記録の閲覧又は謄写を拒むことについて「第三者の利益を害するおそれがあると認めるときその他正当な理由」があると認めることができない旨の判断は,それが重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くと認められるなど,公正取引委員会に与えられた裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用してしたものである場合に限り違法となるとした上で,前記決定において,公正取引委員会が,諸般の事情を,利害関係人が有する事件記録の閲覧又は謄写を求める権利と,被審人や第三者の権利ないし利益及び同法の目的の達成という公共の利益その他の公益との合理的調整を図る見地から勘案した結果,開示部分の謄写を拒むことについて「第三者の利益を害するおそれがあると認めるときその他正当な理由」があると認めることができない旨の判断をし,同決定をしたことについて,それが重要な事実の基礎を欠き又は社会通念に照らし著しく妥当性を欠くと認めるにことはできないのであって,公正取引委員会がその裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したということはできないとして,前記請求を棄却した事例
  •  損害賠償請求事件(東京高判平成25年08月30日)
    裁判所名:
    事件番号:平成21(ワ)5
    公正取引委員会が発したいわゆる見切り販売に対する制限行為の取りやめ等を命じる排除措置命令が確定したことから,加盟店基本契約を締結してコンビニエンス・ストアを営業している者らが,見切り販売の妨害行為によって損害を被ったとしてした,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(平成21年法律第51号による改正前)25条に基づく損害賠償請求につき,当事者の審級の利益等を考慮すると,同条に基づく損害賠償請求訴訟において審理の対象となる損害賠償請求権は,前記排除措置命令において違反行為と認定された行為に基づいて発生するものに限られると解されるが,フランチャイザーの経営相談員らの加盟店オーナーらに対する見切り販売はできない旨の言動等は,その有する商品の価格決定権の行使を妨げ,見切り販売の取りやめを余儀なくさせたものとして,前記排除措置命令にいう違反行為に当たるとした上,加盟店オーナーらは,フランチャイザーとの取引を継続することができなくなれば,それぞれが事業主である各店舗の経営上大きな支障を来すこととなるため,フランチャイザーからの要請に従わざるを得ない立場にあると認められるから,フランチャイザーの取引上の地位は,加盟店オーナーらに対して優越しており,フランチャイザーの取引上の地位が加盟店オーナーらに優越していることを利用して見切り販売の妨害行為がされたと認められるから,前記違反行為は,正常な商慣習に照らして不当に取引の実施について加盟店オーナーらに不利益を与えたものであり,不公正な取引方法(昭和57年6月18日公正取引委員会告示第15号・平成21年10月28日公正取引委員会告示第18号による改正前)14項4号に該当し,私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(平成21年法律第51条による改正前)19条に違反する違法な行為であるとして,前記請求を一部認容した事例
  •  損害賠償等を求める請求控訴事件(東京高判平成25年08月29日)
    裁判所名:
    事件番号:平成25(行コ)189
    鉄道会社に補助金を支出する旨の債務負担行為について元市長がした専決処分は地方自治法(平成24年法律第72号による改正前)179条1項の要件を欠き違法であるからそれに基づく支出も違法であるとして,同法242条の2第1項4号に基づき,元市長に損害賠償請求をすることを市長に対して求める請求につき,同法179条1項の「議会において議決すべき事件を議決しないとき」とは,外的又は内的な何らかの事情により長にとって議会の議決を得ることが社会通念上不可能ないしこれに準ずる程度に困難と認められる場合であるとした上,同鉄道会社に対して運賃値下げ支援補助金を支出する旨の補正予算案について,議会が故意に議決を回避したものではないことはもちろん,議決を怠ったものでもないことに加え,同鉄道会社への補助金交付を目的とする予算について過去2回議会で否決されており,前記専決処分が議会の意思に反する可能性が相当高かったこと,さらに,閉会直後,元市長は一部の議員から臨時議会の招集を求められているところ,前記専決処分を行うまでに臨時議会を招集することも十分可能であったと認められること等を指摘し,議会の内的事情により元市長にとって議会の議決を得ることが社会通念上不可能であったとか,これに準ずる程度に困難であったとすることはできず,同項の「議会が議決すべき事件を議決しない」との事由に当たらないので,前記専決処分は要件を欠き違法であるとして,前記請求を認容した事例
  •  裁決取消請求控訴事件(東京高判平成25年08月28日)
    裁判所名:
    事件番号:平成25(行コ)182
    1 優良運転者である旨の記載のない免許証を交付して行われた運転免許証の有効期間の更新処分の取消訴訟において,客観的に優良運転者の要件を満たすことを理由として同更新処分を取り消す場合には,同更新処分のうち一般運転者として扱うとする部分のみを取り消せば足りる。2 優良運転者である旨を記載した運転免許証を交付することの義務付けの訴えが認容されるためには,行政事件訴訟法37条の2第1項所定の要件を満たすことを要しない。
  •  東京高判平成25年08月28日
    裁判所名:
    事件番号:平成24(う)2255
    1 税関長の許可を受けないでダイヤモンド原石を輸入する意思で禁制品である覚せい剤を輸入しようとした場合には,関税法111条の貨物の無許可輸入罪(未遂)が成立する。2 覚せい剤の輸入罪と貨物の無許可輸入罪の犯罪構成要件は後者の限度で重なり合っているから,原則として訴因変更は要しないものと解され,また,被告人自身がダイヤモンド原石を密輸入する意思であった旨明確に供述しているなどの訴訟経緯(判文参照)に鑑みれば,本件において無許可輸入罪(未遂)を認定することが被告人の防御の利益を損なうものではなく,禁制品である覚せい剤の輸入(未遂)の公訴事実について,訴因変更手続を経ることなく,ダイヤモンド原石の無許可輸入(未遂)の事実を認定した原審の訴訟手続に法令違反はない。
  •  損害賠償等(住民訴訟)請求控訴事件(東京高判平成25年08月08日)
    裁判所名:
    事件番号:平成25(行コ)60
    村が非常勤の職員に報酬及び費用弁償以外の手当等を支給したことが地方自治法に違反するなどとして提起された住民訴訟の一部を認容する控訴審判決の言渡し後,上告受理申立て中にされたその請求に係る村長個人に対する損害賠償債権を放棄する旨の同村村議会の議決につき,前記職員の雇用は村の財政健全化の一環として行われたもので,前記職員に対する貸金及び諸手当の支給は,村の歳出削減にとって必要かつ有益なものであり,その額もその職務に照らして不当に高額というものではなく,そのような諸手当の支給は村における従前の取扱いを踏襲したにすぎないものであって,村の関係者の多くが前記職員に対する諸手当の支給を村長の個人的な過失ではなく,村としての組織の責任であると受け止めていること,前記債権放棄が,裁判所の司法判断を軽視してされたものではなく,司法判断とは別の,村の実情を最もよく知る議会の政治的判断としてされたものであること,前記債権を行使した場合,村が積み上げてきた行財政改革にも水を差す結果になるおそれがあるなどの弊害が生ずるのに対して,前記債権を放棄した場合でも,村の財政に及ぼす実際の影響は限定的なものである上,放棄によって前記職員や村長個人に実質的に不当な利益を得させるものではなく,弊害が少ないと考えられること,村では,先行の控訴審判決の判断を真摯に受け止め,これを踏まえて是正措置等を講じてきていることなどの判示の事情の下では,村が村長個人に対する当該債権を放棄することが普通地方公共団体の民主的かつ実効的な行政運営の確保を旨とする地方自治法の趣旨等に照らして不合理であるとは認め難く,普通地方公共団体の議決機関としての議会の裁量権の範囲の逸脱又はその濫用に当たるとはいえないとして,前記放棄の議決は適法で有効であるとした事例

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