東京高等裁判所における判例

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  •  事業計画変更認可申請却下処分取消等請求控訴事件(東京高判平成26年01月23日)
    裁判所名:
    事件番号:平成25(行コ)279
    1 一般乗用旅客自動車運送事業であるタクシー事業を営む者がした,特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法3条に基づいて特定地域に指定された区域を営業区域として事業用自動車(一般車両タクシー)を30台増車する旨の事業計画変更認可申請に対し,運輸支局長がした前記申請を却下する旨の処分につき,特定地域に係る増車認可申請に対する認可の許否の判断,その審査基準の策定については国土交通大臣等の政策的な裁量判断に委ねられていると解するのが相当であるところ,前記特別措置法制定までの議論の経緯等を検討すると,国土交通大臣から委任を受けた運輸局長らの定めた措置認可基準(審査基準)が安易な供給拡大を抑制することを目的とすること自体は適法であると認められ,また,前記認可基準において,特定地域に係る増車認可申請を認めるためには,当該営業圏において新規の輸送需要が生ずる見込みがあることを必要とするとの収支計画要件を定めることは,安易な供給拡大を抑制するという観点からみて明らかに不合理な規制であるとまではいえないから,前記特別措置法上許容されているものと解されるところ,申請者が実際には立証することが困難な要件を課すことは,政府が供給を直接調整して増車を一律に禁止することと同視することができ,違法であって許されないから,収支計画要件への適合性は,当該営業圏において新規の輸送需要の発生が社会通念上合理的にみて相当程度の蓋然性をもって見込まれることを申請者である事業者が立証することができれば足りると解されるが,前記処分時において,前記タクシー事業者の営業圏においてビジネスジェットに係る新規の輸送需要が発生することが社会通念上合理的にみて相当程度の蓋然性をもって見込まれていたとは認められず,また,前記認可基準所定の,収支計画要件を満たさない場合でも増車申請を認可する「特別な事情」があるといえるために少なくとも必要な,増車しても特定地域における供給過剰状態の更なる悪化にはつながらないとの主張立証はないから,前記「特別な事情」があるとも認められず,運輸支局長が裁量権を逸脱し又はこれを濫用したとは認められないとして,前記処分を適法とした事例2 一般乗用旅客自動車運送事業であるタクシー事業を営む者が,特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法3条に基づいて特定地域に指定された区域を営業区域として,事業用自動車(一般車両タクシー)を増車するため,運輸支局長に対し,同法15条1項,道路運送法15条1項に基づき,事業計画変更認可申請をしたところ,これを却下する旨の処分を受けたため,同条3項に基づく届出のみで前記申請に係る増車をすることができる法的地位を有することの確認を求めた訴えにつき,前記区域を特定地域として指定したことが違法無効である場合には,同条3項に基づき,事前に届出をするのみで増車をすることができることになるから,前記処分の取消しを求めるまでもなく,同条1項の認可を得ることなく同条3項の届出のみで前記申請に係る増車をなし得る法的地位を有することの確認を求めることができ,確認の利益を肯定することができるとして,前記訴えを適法とした事例
  •  東京高判平成26年01月16日
    裁判所名:
    事件番号:平成25(行コ)81
    障害者自立支援法(平成23年法律第37号及び平成22年法律第71号による各改正前)に基づき,支給量を1月当たり744時間(1日あたり24時間)とする重度訪問介護の介護給付費支給決定を受けていた者が,入院期間中にも重度訪問介護事業所による1日24時間の重度訪問介護サービスを受けたところ,市から,入院期間中は1日当たり4時間分を超えては介護給付費を支給されないこととされ,入院期間中の介護給付費が支給されない1日4時間分を超える部分の介護利用料を前記事業所に支払ったことによる,前記支給決定障害者の市に対する,①同法29条1項に基づく前記支払済みの介護利用料と同額の介護給付費の支給を求める主位的請求と②市が同人に対してした同法に基づく介護給付費支給申請を棄却した処分の取消しを求める予備的請求につき,同法には,介護給付費についての市町村等による支給決定に関する規定はなく,介護給付費は,同法29条3項及び4項並びにこれらの委任を受けた告示及び政令によって具体的に定まることとされているのであり,他に,市町村等による決定等の形成行為又は確認行為によって初めて具体的な権利が発生することとされていることをうかがわせる規定はないことからすると,市町村等が,支給決定障害者等に対し,事実関係を明確にするために支払決定という文言を用いることがあったとしても,それは,その行為によって,直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められているものに該当せず,また,同法上,これが処分であることをうかがわせる手続規定も何ら存在しないから,行政事件訴訟法3条2項に規定する「処分」には該当しないと解するのが相当であり,前記支給決定障害者は,支払決定を経るまでもなく市に対し,障害者自立支援法29条1項に基づき介護給付費の支給を請求することができるというべきであるが,同法5条3項に規定する「居宅」とは,同法1条が,障害者等が自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう,必要な障害福祉サービスに係る給付その他の支援を行うことなどを目的とすると規定していることを併せ考慮すれば,重度の肢体不自由者であって常時介護を要する障害者が,同法5条3項に規定する重度訪問介護として,入浴,排泄又は食事の介護その他の便宜の供与を受けなければ,自立した日常生活又は社会生活を営むことができない場所をいうものを解されるところ,健康保険法,国民健康保険法,保険医療機関及び保険医療養担当規則の各規定や,「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(平成22年3月5日保医発0305第2号。平成24年3月5日保医発0305第2号により廃止)で定められていた看護の内容,健康保険法等の一部を改正する法律(平成6年法律第56号)が付添看護を解消した趣旨に加え,障害者自立支援法7条が,他の法令による給付との調整について規定し,他の法令に基づき受けることができる給付を優先し,また,健康保険法63条1項5号及び国民健康保険法36条1項5号に規定する看護は,障害者自立支援法5条3項及び同法施行規則1条の3に規定する便宜とそのほとんどが重なっていることからするならば,支給決定障害者が病院に入院した場合には,同人に対し,健康保険法又は国民健康保険法が規定する療養の給付として保険医療機関の従業員により看護が全て行われることが予定されているため,病院は,障害者自立支援法5条3項に規定する「居宅」には該当しないと解すべきであり,同法は,前記支給決定障害者が病院に入院した場合には,同人が入院中に重度訪問介護を受け,これに関して介護給付費を支給することを予定していないものと解されるとして,前記主位的請求を棄却し,前記予備的請求に係る訴えについては,前記のとおり,支払決定は行政事件訴訟法3条2項にいう処分とはいえないから,不適法であるとして,これを却下した事例
  •  事業所税更正処分取消等請求控訴事件(東京高判平成26年01月09日)
    裁判所名:
    事件番号:平成25(行コ)298
    貸しビル等において営む「レンタル収納スペース」事業が事業所税の課税客体となることを理由としてされた事業所税に係る各更正処分及び過少申告加算金の各賦課決定処分につき,地方税法701条の32第1項にいう「事業所等」とは,それが自己の所有に属するものであるか否かにかかわらず,事業の必要から設けられた人的及び物的設備であって,そこで継続して事業が行われる場所をいい,前記人的設備とは,当該事業に対し役務を提供し事業活動に従事する自然人をいうと解するのが相当であるとした上,前記事業は,建物の居室に特殊な造作を施して物品の保管を可能にする物的設備を備えることにより,顧客に対し,建物の居室の通常の使用とは相当程度異なる利便性を提供する点において,この事業固有の特質を有するものであり,また,賃借人たる顧客の使用収益権能を強く制限し,賃貸人の管理機能を強化することを通じて,物品の保管機能を高めている点においても,単に不動産の利用権を提供するものにとどまらない内容を有する事業であるということができる点,前記事業に供する居室は,単なる物的設備ではなく,前記事業に対し役務を提供し事業活動に従事する人的設備をも備えているということができる点等を勘案すると,前記事業を行うためにレンタル収納スペースが設けられている居室は,事業の必要から設けられた人的及び物的設備であって,そこで継続して事業が行われる場所であるということができるから,「事業所等」に該当し,また,前記事業の事業所等の用に供されている居室については,前記事業を行う者が事業所税の納税義務者となると解されるとして,前記各処分をいずれも適法とした事例
  •  東京高判平成25年12月20日
    裁判所名:
    事件番号:平成25(行ケ)70
    平成25年7月21日施行の参議院(選挙区選出)議員通常選挙(以下「本件選挙」という。)について,東京都選挙区等の選挙人において,公職選挙法14条1項,別表第3による選挙区及び議員数の規定が,憲法の保障する人口比例選挙に反し,投票価値の平等に反して無効であるから,これに基づき施行された本件選挙も無効であるとしてした選挙無効請求につき,本件選挙は,最高裁平成24年10月17日大法廷判決(以下「平成24年判決」という。)が違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態に至っていたと判示した平成22年7月施行の参議院議員通常選挙時の最大較差1対5.00から,単に4増4減の改正が行われて最大較差1対4.77とされたのみで,平成24年判決とほとんど変わらない状況の下で実施されたのであるから,本件選挙においても,投票価値の不均衡が投票価値の平等の重要性に照らして看過し得ない程度に達していることが明らかであり,これを正当化すべき合理的理由も認められないから,違憲の問題が生ずる程度の著しい不平等状態にあったというべきであるが,選挙制度の枠組みの見直しに関しては,国民の間にも様々な利害や意見があり,参議院ひいては二院制の在り方をも踏まえた高度に政治的判断が求められるなど課題が多く,その検討には相応の時間を要することに加え,平成21年9月30日最高裁大法廷判決は最大較差1対4.86であった平成19年施行の参議院議員通常選挙を合憲とし違憲状態との説示もしていないこと,平成8年9月11日最高裁大法廷判決以降最高裁が参議院議員選挙に関して違憲状態を指摘し,参議院議員の選挙であること自体から直ちに投票価値の平等の要請が後退してよいと解すべき理由は見いだし難いとした上,都道府県を選挙区の単位とする仕組みの見直しの必要性を具体的に指摘したのは平成24年判決が初めてであり,同判決から本件選挙までは約9か月しかなかったこと,平成20年以降,参議院改革協議会や選挙制度改革検討会等を通じて選挙制度の仕組み自体の見直しも含めた検討が継続的に進められ,平成24年8月に国会に提出された参議院議員定数配分規定の改正案では,平成28年の参議院議員通常選挙に向けて選挙制度の抜本的見直しを検討し,結論を得ることが附則として明記され,その改正案が平成24年11月に可決されたこと,平成24年判決は当該附則の規定をも考慮して前回参議院議員選挙を違憲としなかったこと等を総合考慮すると,本件選挙の時点において,都道府県を単位とする選挙区の点も含めた選挙制度の枠組み自体を見直すのに必要な合理的期間は未だ経過していないというべきであり,本件選挙までの間に選挙区及び議員数の規定を改正しなかったことが,国会の裁量の限界を超えるものとはいえず,同規定が憲法に違反するに至っていたとはいえないとして,前記請求を棄却した事例
  •  東京高判平成25年12月18日
    裁判所名:
    事件番号:平成25(う)578
    「(海賊船舶等の)拿捕を行った国の裁判所は,科すべき刑罰を決定することができる。」と定める海洋法に関する国際連合条約105条は,海賊行為については,国際法上,いずれの国も管轄権を有することを前提とした上で,拿捕国が利害関係国その他第三国に対して優先的に管轄権を行使することができることを規定したものである。
  •  法人税法違反,関税法違反被告事件(東京高判平成25年11月27日)
    裁判所名:
    事件番号:平成25(う)857
    「世界貿易機関を設立するマラケシュ協定」(平成6年条約第15号)の「農業に関する協定」4条2項は,国内の裁判規範として直接適用されるものではなく,我が国の豚肉の差額関税制度を直ちに無効ならしめるものではない。
  •  東京高判平成25年11月21日
    裁判所名:
    事件番号:平成25(行コ)268
    相続により取得された不動産に係る譲渡所得のうち被相続人の保有期間中の増加益に相当する部分は,所得税法(平成22年法律第6号による改正前)9条1項15号所定の非課税所得に当たらない。
  •  審決取消等請求事件(東京高判平成25年11月01日)
    裁判所名:
    事件番号:平成24(行ケ)8
  •  過料処分取消請求控訴事件(東京高判平成25年10月31日)
    裁判所名:
    事件番号:平成25(行コ)20
    1 反社会的団体(無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律5条1項に規定する観察処分を受けた団体のこと)に対して所定事項につき報告する義務を課し,その義務を懈怠した場合につき過料に処することなどを定める足立区反社会的団体の規制に関する条例(平成22年足立区条例第44号)の規定は, [1]同条例の目的は正当であり,反社会的団体の活動に対する規制の必要性は高く,[2]報告を求められる事項は,いずれも個人の信仰など内心の自由に関するものは含まれておらず,当該団体が宗教団体である場合であっても,専ら世俗的側面における活動状況・実態を把握するためのものであり,当該団体又はその構成員の宗教的活動の中核的部分に関する事項を規制したり,構成員の精神的・宗教的な側面に容かいするような性質のものではなく,[3]同条例5条2項に定める報告義務に関する規定は不明確とはいえず,同条例の規制により当該団体の施設の所在地が町名まで明らかにされても,規制の目的に照らして相当を欠くとまではいえず,また,手続保障も十分に図られているということができるから,同条例による規制手段と規制目的との間には合理的関連性があり,かつ,規制によって得られる利益と失われる利益とを衡量しても相当であるから,憲法20条1項に違反しない。2 足立区反社会的団体の規制に関する条例(平成22年足立区条例第44号)5条2項が定める報告を正当な理由がないのに拒んだとして,同条例10条に基づき過料に処する旨の処分を受けた宗教団体がした前記処分の取消請求につき,前記宗教団体において,前記報告をすることにより,前記条例及び足立区反社会的団体の規制に関する条例施行規則(平成22年足立区規則第72号)の規定に基づき,その報告内容が区ホームページ上で公表される結果,前記宗教団体の施設の所在地を不特定多数の者が容易に知ることが可能となり,前記宗教団体及びその構成員等の生命,身体,財産をはじめとする基本的人権を含む諸権利が重大に損なわれる恐れが払拭できないとの懸念を抱いたというのも無理からぬことであったと認められるから,前記宗教団体が前記報告を拒んだことについては,正当な理由なく報告を拒んだときに該当せず,前記処分はその処分要件を欠く違法なものであるとして,前記請求を認容した事例
  •  法人税更正処分取消等請求控訴事件(東京高判平成25年10月24日)
    裁判所名:
    事件番号:平成25(行コ)29
    控訴審において新たにされた,外貨建社債に係る外国為替の変動に伴って生ずるおそれのある損失の額を減少させるために行った通貨オプション取引のうち売建オプション取引の決済損益額が法人税法61条の5第1項により益金の額に算入されるべきであるとの控訴人(国)の主張は,外国為替換算差損の額が損金の額に算入されるか否かという原審の争点との関係で予備的主張という位置付けになることに加え,当該争点に関する主張が事実上又は法律上の根拠を欠くものであるとか,原審裁判所から促されたといった特段の事情もうかがえないことからすると,時機に後れた攻撃防御方法として却下されるものではないとした事例

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