東京高等裁判所における判例

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  •  公金支出差止等請求(住民訴訟)控訴事件(東京高判平成25年03月29日)
    裁判所名:
    事件番号:平成21(行コ)213
    1 地方自治法238条1項4号の「地上権,地役権,鉱業権その他これらに準ずる権利」とは,法律上確立している用益物権,又は用益物権に類する性格を有する権利ということころ,ダム使用権の設定予定者たる地位は,手続上の地位にすぎないからこれに当たらず,多目的ダムの建設費の負担を出資ということもできないから,同項7号の「出資による権利」にも当たらない。2 東京都が設定の申請をしたダム使用権は都の水道事業に不要であり,ダムにより都が治水上の利益を受けることもない等として,地方自治法242条の2第1項1号に基づき,都水道局長に対する特定多目的ダム法7条に基づく建設費負担金の支出の差止め,都建設局総務部企画経理課長による河川法63条に基づく受益者負担金の支出命令の差止めを求める各請求につき,前記建設費負担金及び前記受益者負担金の各支出は,国土交通大臣による納付通知を原因としたものであり,同納付通知について重大かつ明白な違法ないし瑕疵があるなど,同納付通知が著しく合理性を欠きそのためこれに予算執行の適正の見地から看過し得ない瑕疵があるときでない限り,これを尊重してその内容に応じてした前記各支出が違法であるということはできないところ,判示の事情に照らすと前記納付通知に重大かつ明白な違法ないし瑕疵があるとはいえない上,都水道局長によるダムの使用権の設定申請及びダム使用権認定予定者たる地位を維持することが合理性を欠くともいえないから,前記建設費負担金及び前記受益者負担金の各支出が違法であるとはいえない等として,前記各請求をいずれも棄却した事例
  •  法人税更正処分取消等請求控訴事件(東京高判平成25年03月28日)
    裁判所名:
    事件番号:平成24(行コ)229
    農作物の輸入及び卸売販売を目的とする株式会社が租税特別措置法(平成13年法律第7号による改正前)66条の4にいう国外関連者に該当する外国法人からエクアドル共和国産バナナを輸入した取引について,同条2項1号ニ,租税特別措置法施行令(平成13年政令第141号による改正前)39条の12第8項所定の寄与度利益分割法を用いて算定された独立企業間価格に基づいてされた法人税の更正処分の取消しを求める請求につき,独立企業間価格を算定する方法について,エクアドル共和国産バナナは同国政府によって輸出業者による生産者からの買取価格及び輸出価格の下限が規制されており,この規制は「通常の利益率」に影響を及ぼすものであるから,同法66条の4第2項1号ロ所定の再販売価格基準法を適用するに当たり,当該規制の有無により通常の利益率に生じる差について調整する必要があるところ,その具体的な影響を数値化して特定することは不可能であって前記の差を調整することができないから,再販売価格基準法を用いることはできず,また, 同号イ所定の独立価格比準法及び同号ハ所定の原価基準法については,いずれも適切な比較対象取引が存在せず用いることができないから,これらの基本三法によらず寄与度利益分割法を用いたことは適法であるとした上で,寄与度利益分割法を用いて独立企業間価格を算定する場合の分割要因の選定に当たっては,国外関連取引の内容に応じて各当事者が果たす機能を分析し,その機能に差異があるときは,それぞれの機能が分割対象利益の発生に寄与する程度や性格等を考慮し,各当事者が分割対象利益の獲得に寄与した相対的な程度を推測するに足りる要因を選定すべきであるところ,販管費は,一般的に企業の営業利益の獲得に寄与する性質を有するものとして認められている費用であることに加え,前記国外関連取引に関し,前記株式会社及び前記外国法人が行った業務は,仕入販売業務及びこれを支える一般管理業務のみであり,両者がこれらの業務のために支出した費用は,販管費として計上され,その他に,両者が当該国外関連取引に関して何らかの業務を行い,そのために費用を支出したとは認められないことからすれば,両者が支出した販管費は両者が当該国外関連取引に係る営業利益の獲得に寄与した相対的な程度を推測するに足りる要因と認められるから,販管費を分割要因として寄与度利益分割法を用いて算定された独立企業間価格に基づいてされた前記処分に違法な点はないとして,前記請求を棄却した事例
  •  課徴金納付命令決定取消請求控訴事件(東京高判平成25年03月28日)
    裁判所名:
    事件番号:平成24(行コ)301
    1 金融商品取引法(平成23年法律第49号による改正前)172条の2第1項1号の文言からは,課徴金の納付命令の決定をする要件を満たす時点である有価証券を取得させた時よりも後の事情が,課徴金の額を算定する際の基礎となる事情に含まれるべきことはうかがわれず,同条のその余の部分の規定を見ても,課徴金の納付命令の決定をする要件を具備してからその納付命令の決定をするまでの間に生じた事情が,課徴金の額を算定する際の基礎となる事情に含まれるべきことをうかがわせるものはないから,同号所定の課徴金については,重要な事項につき虚偽の記載がある発行開示書類に基づく募集により有価証券を取得させた時点で課徴金の納付命令の決定をする要件は満たされ,その時点における事情を基礎に課徴金の額を算定すべきである。2 金融商品取引法(平成23年法律第49号による改正前)172条の2第1項1号所定の課徴金については,重要な事項につき虚偽の記載がある発行開示書類に基づく募集により有価証券を取得させたとの事実が生じた時点でその納付命令を決定するための実体的な要件が満たされ,その時点における事情を基礎に課徴金の額を算定すべきものとされており,その具体的な額については,同法の定める課徴金の制度が行政上の措置であって,迅速かつ効率的な運用により制度の趣旨及び目的の実現を確保する必要があることに鑑み,明確かつ容易にこれを算定することができるよう,あらかじめ設けられた基準である同号の定めるところに従って,一律かつ機械的に算定すべきものとされているところ,このような同号所定の課徴金の制度の趣旨及び目的並びにその枠組みに鑑みれば,同号にいう「新株予約権の行使に際して払い込むべき金額」は,その文理に照らしても,当該新株予約権証券を取得させた時点においてそれに係る新株予約権の行使に際して払い込むことが予定されていた価額をいう。
  •  執行停止申立事件(東京高判平成25年03月15日)
    裁判所名:
    事件番号:平成25(行タ)9
    公正取引委員会が利害関係人に対してした審判手続の事件記録の一部の謄写に応ずる旨の決定の効力停止を求める申立てにつき,前記事件記録の開示部分を謄写した書面が前記利害関係人に交付されれば,前記審判手続に係る排除措置命令を受けた事業者の事業運営上の重要事項等が競争事業者である前記利害関係人に知られることによってその事業運営に著しい支障が生じるおそれがあるところ,このような損害は原状を回復することが不可能又は著しく困難なものであり,前記処分の効力を停止することにより前記事業者が被る損害の発生を避ける必要性,緊急性が前記処分の効力を停止せずにその行政目的の達成を図る必要性を上回るから,前記処分により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があるとして,前記申立てを一部認容した事例
  •  法人税更正処分取消請求控訴事件(東京高判平成25年03月14日)
    裁判所名:
    事件番号:平成24(行コ)19
    パチスロ台用モーターの製造及び販売を行っている国内企業が,租税特別措置法(平成16年法律第14号による改正前)66条の4第1項の国外関連者との間でした仕入取引に関し,同項が規定する独立企業間価格を算定するために必要と認められる帳簿書類等が遅滞なく提示又は提出されなかったとして,同条7項により算定した価格を前記仕入取引の独立企業間価格と推定して計算した法人税についての更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分につき,同項にいう独立企業間価格の算定に必要な書類とは,納税者が現に所持したり,作成したりしている書類に限られず,提示を求められた書類が納税者の現に所持していないものであっても,当該納税者において新たに作成し又は入手した上で提出することが不可能ではなく,その書類が独立企業間価格の算定に必要と認められる以上は,特段の事情がない限り,その書類が提出されない場合には同項の推定課税の要件は満たされるとし,また,同項に基づく推定課税は,独立企業間価格の立証責任を納税者側に転換したものであり,納税者はその推定を破ることができることなどからすれば,同項が推定課税の算定方法として定める,算定の基礎となる同種事業類似法人と納税者との事業の同種性及び事業内容の類似性については,それほど高度で厳格なものは要求されておらず,事業及び事業内容の差異が粗利益率レベルでかなりの差をもたらすものでないことが一応の判断基準になるとした上で,同種事業類似法人の選定方法に不当な点が見当たらず,これらの法人に係る利益率を用いて独立企業間価格を推定したことは適法であり,それにより算定された独立企業間価格も適法であるとして,前記各処分を適法とした事例
  •  法人税更正処分取消等請求控訴事件(東京高判平成25年03月14日)
    裁判所名:
    事件番号:平成24(行コ)237
    1 国等からの収用事業に係る資産の買取りの申出に応じて事業用資産を譲渡したことで取得した補償金による資産の取得につき,租税特別措置法(平成19年法律第6号による改正前)64条1項の規定に基づく課税の特例(圧縮記帳)を適用してされた法人税の確定申告に対し,前記取得資産の全ての取得価額ではなく,代替資産の取得価額を基礎として圧縮限度額を計算すべきであるとしてした法人税の更正につき,租税特別措置法施行令(平成19年政令第92号による改正前)39条4項の規定の適用により複数の資産をもって代替資産としたときの同法64条1項所定の圧縮限度額は,その帳簿価額を損金経理により減額し又はその帳簿価額を減額することに代えて積立金として積み立てる方法により経理した代替資産の取得価額を基礎として計算されるべきものであるから,そのような減額又は経理をしていない資産の取得価額は圧縮限度額の計算の基礎となる代替資産の取得価額とはならないとして,前記更正を適法とした事例2 国等からの収用事業に係る資産の買取りの申出に応じて事業用資産を譲渡したことで取得した補償金による資産の取得につき,租税特別措置法(平成19年法律第6号による改正前)64条1項の規定に基づく課税の特例(圧縮記帳)を適用してされた法人税の確定申告に対し,圧縮限度超過額は,個々の代替資産の取得価額にそれぞれ差益割合を乗じて計算した個々の代替資産の圧縮限度額を当該代替資産の圧縮損計上額が超えた金額の合計であるとしてした法人税の更正につき,法人の有する資産が土地収用法等の規定に基づいて収用されるなどし,当該法人が補償金等を取得した場合において,当該法人が差引補償金の額に相当する金額をもって複数の資産の取得をし,租税特別措置法施行令(平成19年政令第92号による改正前)39条4項の規定の適用により当該複数の資産をもって代替資産としたときは,同法64条1項所定の圧縮限度額は,複数の取得資産を全体として一つの代替資産とし,個々の資産の取得価額を合計して計算する方法により求められるべきものではなく,その計算の基礎となる各代替資産の取得価額にそれぞれ差益割合を乗じて個別的に計算されるべきものであり,このときの圧縮限度超過額は,個々の代替資産の取得価額にそれぞれ差益割合を乗じて計算した個々の代替資産の圧縮限度額を当該代替資産の圧縮損計上額が超えた金額の合計となるとして,前記更正を適法とした事例
  •  法人税更正処分取消等請求控訴事件(東京高判平成25年03月14日)
    裁判所名:
    事件番号:平成24(行コ)424
    内国法人が事業年度中にその代表取締役及び取締役に対して支給した役員給与のうち冬季賞与は法人税法34条1項2号の事前確定届出給与に該当せず,その額は前記事業年度の所得の金額の計算上,損金の額に算入されないとした法人税の更正処分につき,同号の規定によれば,内国法人がその役員に対して支給する給与が事前確定届出給与に該当し,その額が当該内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上,損金の額に算入されるためには,その役員給与がその役員の職務につき所定の時期に確定額を支給する旨の事前の定めに基づいて支給する給与であることと,政令で定めるところにより納税地の所轄税務署長にその事前の定めの内容に関する届出がされていることとを要するところ,その規定の文言の合理的解釈として,役員給与がこれらの要件を満たすためには,当該役員給与の支給が所轄税務署長に届出がされた事前の定めのとおりにされることを要するというべきところ,当該役員給与の支給が所轄税務署長に届出がされた事前の定めのとおりにされたか否かは,特別の事情がない限り,個々の支給ごとに判定すべきものではなく,当該職務執行期間の全期間を一個の単位として判定すべきものであって,当該職務執行期間に係る当初事業年度又は翌事業年度における全ての支給が事前の定めのとおりにされたときに限り,当該役員給与の支給は事前の定めのとおりにされたこととなり,当該職務執行期間に係る当初事業年度又は翌事業年度における支給中に1回でも事前の定めのとおりにされたものではないものがあるときには,当該役員給与の支給は全体として事前の定めのとおりにされなかったこととなると解するのが相当であるとした上,前記役員給与のうち夏季賞与の支給が所轄税務署長に届出がされた事前の定めのとおりにされなかったのであり,前記特別の事情も認められないから,前記冬季賞与を含む前記役員給与は同号の事前確定届出給与に該当しないとして,前記更正処分を適法とした事例
  •  建替組合設立認可取消請求控訴事件(東京高判平成25年03月14日)
    裁判所名:
    事件番号:平成24(行コ)387
    区分所有者の一部が有する敷地利用権たる借地権の価格を定めていない建替え決議に基づいてされたマンション建替組合設立認可処分につき,建物の区分所有等に関する法律62条2項4号の決議事項については,現建物の区分所有者が再建建物においていかなる扱いを受けるのか,すなわち,現建物の区分所有者がどのようにして再建建物の区分所有権を取得することになり,また,清算額が定まることになるのか等についての基準ないしルールが定められていることが必要であり,かつ,それをもって足り,同法は現建物及び再建建物の敷地利用権の価格や内容について定めることを求めていないと解すべきであるとして,前記建替え決議は建物の区分所有等に関する法律62条2項4号に違反せず,これに基づいてされた前記マンション建替組合設立認可処分も,マンションの建替えの円滑化等に関する法律(平成23年法律第105号による改正前)12条1号に違反しないとした事例
  •  所得税更正処分取消等請求控訴事件(東京高判平成25年03月13日)
    裁判所名:
    事件番号:平成23(行コ)302
    アメリカ合衆国デラウェア州法に基づき,無限責任を負うジェネラル・パートナー及び原則として出資額を限度とする有限責任を負うリミテッド・パートナーから組成された事業形態であるリミテッド・パートナーシップ(LPS)につき,外国の法令に準拠して設立された事業体が我が国の租税法上の法人に該当するか否かについては,原則として,当該外国の法令の規定内容から,その準拠法である外国の法令によって法人とする(法人格を付与する)旨が規定されていると認められるか否かによるのが相当であり,その判断に当たっては,当該外国の法令の規定内容をその文言に従って形式的に見た場合に,当該外国の法令が当該事業体を法人とする旨規定しているかどうかだけではなく,当該外国の法令がその設立,組織,運営及び管理等についてどのように規定しているかも併せて検討すべきであるが,当該事業体が損益の帰属すべき主体として設立が認められたものであるかどうかを判断基準にすることは不要であるとした上で,前記LPSの準拠法である前記州法等が前記LPSの設立,組織,管理・運営等について規定しているところによれば,前記LPSは,構成員から独立した法的主体として存在しているというべきであり,前記州法の規定は,同法に基づいて設立されるLPSを法人とする旨を規定しているものと解すべきであるとして,前記LPSは,我が国の租税法上の法人に該当するとした事例
  •  選挙無効請求事件(東京高判平成25年03月06日)
    裁判所名:
    事件番号:平成24(行ケ)21
    平成24年12月16日施行の衆議院議員選挙について,東京都第1区の選挙人が,衆議院小選挙区選出議員の選挙の選挙区割りに関する公職選挙法の規定は憲法に反して無効であるから,これに基づき施行された同選挙も無効であるとしてされた同選挙区における選挙の無効請求につき,同選挙時において,前記選挙区割りには現実に投票価値の不平等の結果が生じているが,これは,選挙区割りを定めるについて合理性を認めることができない1人別枠方式を含む区割基準に基づき前記選挙区割りが定められたことによるものであって,前記選挙区割りは憲法の要求する投票価値の平等に反する違憲状態にあると認められるところ,前記選挙区割りは,最高裁平成23年3月23日大法廷判決を起点として,その後,憲法上要求される合理的期間内における是正が行われないまま同選挙時に至ったと認められるから,同選挙の選挙区割りを定めた前記規定は,同選挙当時,憲法が要求している投票価値の平等に反し,違憲であったとし,いわゆる事情判決の制度(行政事件訴訟法31条1項)の基礎に存する一般的な法の基本原則を適用して,前記請求を棄却するとともに,主文において同選挙が違法であると宣言した事例

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