平成26年\(オ\)77号平成26年\(受\)93号
退職一時金返還請求事件
平成27年12月14日第一小法廷判決
主文
1 原判決中上告人敗訴部分を破棄する。
2 前項の部分につき,被上告人の控訴を棄却する。
3 控訴費用及び上告費用は被上告人の負担とする。
理由
上告代理人茅根熙和,同春原誠,同和田健児の上告理由及び上告受理申立て理由について1(1)本件は,被上告人が昭和49年に日本電信電話公社(以下「電電公社」という。)を退職した際に日本電信電話公社共済組合(同60年4月1日以降の名称は日本電信電話共済組合。以下「旧共済組合」という。)から退職一時金として14万1367円を受給したところ,被上告人が満60歳となり旧共済組合の組合員であった期間(以下「組合員期間」という。)を計算の基礎とする老齢厚生年金及び退職共済年金の受給権を有するようになったため,旧共済組合の権利義務を承継した上告人が,後記(2)の法令の規定に基づき,被上告人に対し,当該退職一時金として支給を受けた上記の額に利子に相当する額を加えた額に相当する金額66万0460円及びこれに対する遅延損害金の支払を求める事案である。
(2) 上告人の上記請求は,国家公務員共済組合法(以下「
う。)附則12条の12(平成24年法律第63号による削除前のもの。以下同じ。)の規定による,退職一時金として支給を受けた額に利子に相当する額(以下「利子相当額」という。)を加えた額に相当する金額(以下「退職一時金利子加算額」という。)の返還に関し,その経過措置を定める「厚生年金保険法等の一部を改正する法律」(平成8年法律第82号。以下「厚年法改正法」という。)附則30条1項の委任に基づいて定められた,「厚生年金保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う国家公務員共済組合法による長期給付等に関する経過措置に関する政令」(平成9年政令第86号。以下「本件政令」という。)4条1項の規定に基づくものである。