大阪地判平成27年10月16日(刑事判例)

大阪地方裁判所(大阪府)

事件番号:平成26(た)22

目次


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主文
被告人は無罪。
理由

第1    本件各公訴事実
本件各公訴事実は,「被告人は,強いてわいせつな行為をしようと企て,平成20年7月上旬ころ,a市b区cd丁目e番fg棟h号室の被告人方において,同居している養女であるA(当時14年)に対し,その背後から両腕でその身体に抱き付き,両手で衣服の上から両乳房をつかんで揉み,もって強いてわいせつな行為をしたものである。」(平成20年9月30日付け起訴状記載の公訴事実),「被告人は,a市b区cd丁目e番fg棟h号室の被告人方でAと同居していたものであるが,第1平成16年11月21日ころ,前記被告人方において,A(当時11年)が13歳未満であることを知りながら,同女を強いて姦淫しようと企て,同女に対し,その肩等をつかんであお向けに押し倒し,無理やり衣服をはぎ取るなどの暴行を加えてその反抗を抑圧し,強いて同女を姦淫し,第2平成20年4月14日ころ,前記被告人方において,前記犯行及びその後繰り返し行った虐待行為等によりA(当時14年)が被告人を極度に畏怖しているのに乗じ,同女を強いて姦淫しようと企て,同女に対し,前同様の暴行を加えてその反抗を抑圧し,強いて同女を姦淫したものである。」(平成20年11月12日付け起訴状記載の各公訴事実)というものである。

第2    再審公判に至るまでの経緯

1    確定審における判決等

(1)   確定審第一審は,被告人が本件各犯行を行った旨のAの捜査段階及び公判廷での供述(以下「Aの旧供述」という。)について,①Aには養父である被告人から強姦被害等を受けたとの虚偽告訴をする特段の事情がないこと,②被害を打ち明けるまでに数年を要していたり,実母に問い詰められるまでは尻や胸を触られた旨打ち明けるに留まっていたなどの事情も存するが,当時のAの年齢や境遇からすれば,被害を打ち明けるまでの経過に何ら不自然・不合理な点はないこと,③虚偽被害のでっち上げを行う動機がなく信用できる兄であるBの目撃供述(以下「Bの旧供述」という。)と一致していること,④供述内容に自然性・合理性が認められること,⑤供述態度も真摯であったことなどを理由に,信用性が認められると説示し,他方,被告人の供述についてはAの供述に疑問をさしはさむ程度の信用性を認めることができないとして,平成21年5月15日,本件各公訴事実についていずれも有罪であると認定し,被告人を懲役12年に処するとの判決を言い渡した。


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                        裁判所名

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