職業安定法違反

最高裁判所第二小法廷(東京都)

昭和32(あ)614

1957年06月19日

目次

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    主    文

本件上告を棄却する。

    理    由

弁護人鈴村金一の上告趣意は、違憲をいうも、その実質は、単なる法令違反及び量刑不当の主張を出ないものである。けだし、第一審が所論前科調書を証拠として取り調べ、右受刑の事実を審問していること及び原審が被告人の経歴等を綜合考察して第一審の量刑の当否を判断していることは論旨摘録のとおりであるが、第一審が所論の前科を考慮に入れて被告人を重く処罰した事実は記録上認められず、原審は諸般の事情にかんがみ第一審の量刑が相当である旨判示しているのであるから、所論はひつきよう量刑の非難に帰し、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また、被告人の前科が所論のように刑法三四条の二第一項所定の期間の経過に因り又は大赦令により赦免されたことに因り、刑の言渡がその効力を失つたということは、法律上の効果の問題であつて、被告人が以前に犯罪により処罰されたという事実そのものは消滅するものではないから、所論前科調書を取り調べ、右受刑の事実を審問し又はこれを量刑当否の判断の資料に供したからといつて違法ということはできない(昭和二五年五月三〇日第三小法廷判決、刑集4巻5号889頁以下参照)。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。よつて同四一四条三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

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    昭和三二年六月一九日     最高裁判所第二小法廷         裁判長裁判官    小   谷   勝   重            裁判官    藤   田   八   郎            裁判官    池   田       克            裁判官    河   村   大   助            裁判官    奥   野   健   一

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